低用量ピルを飲むにあたって気になる副作用。
低用量ピルは安全性が非常に高いお薬のため、医師の処方のもと服用していれば問題はありません。
副作用としてよく挙げられる不正出血や吐き気、頭痛などは、飲み続けることでおさまることがほとんどです。
普段から安心して飲むことができるお薬ですが、最大のリスクがある副作用として「血栓症」が挙げられます。
血栓症はピルの副作用の1つで、発症する確率は決して高くないですが、命に関わることもある危険な病気。
今回は、血栓症とはどんな病気なのか、気をつけるべき症状などについて解説します!
血栓症ってどんな病気?
血栓症とは、血液の一部が固まって血の塊(血栓)となり、血管が詰まってしまう病気です。
ピルを飲んでいない人が血栓症を発症する割合は年間1万人に1~5人であるのに対し、ピルを飲んでいる人は3~9人と少しリスクが高くなります。
ちなみに交通事故で負傷する確率は年間で約0.4%、つまり1万人に40人なので、ピルを飲んで血栓症を発症するリスクは交通事故に遭うリスクより低いといえます。
血栓症のリスクが高い人
これらに当てはまる人は、ピルの服用に関わらず、血栓症のリスクが高くなるため、特に注意しましょう。
- タバコを吸う人
- デスクワークや長時間フライトなど、長時間同じ姿勢でいることが多い人
- 高血圧の人
- 肥満の人
- 糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病にかかっている人
- 過去に血栓症に関連する病気にかかったことがある人
- 家族が血栓症に関連する病気にかかったことがある人
場合によっては、ピルの処方を受けられないこともあります。命に関わるとても大事なことなので、問診では漏れなく正確に伝えてくださいね。
ピル服用中にこんな症状がでたら要注意!
ピルによる血栓症の発症リスクは、飲み始めてから3ヶ月以内が最も高いといわれています。
特にこの期間は下記のような症状がないか注意してみてくださいね。
- 息苦しい
- 胸がひどく痛い
- 頭がひどく痛い
- お腹がひどく痛い
- 手足がしびれる
- ふくらはぎがむくんで痛い
症状がでたらどうする?
すぐにピルの服用を中止し、ピルを処方してくれた医師へ相談しましょう。
もし緊急性が高く、ピルの処方を受けた医療機関とは別の場所を受診された場合は、必ずピルを服用していることを伝えてくださいね。
血栓症は、発症しても適切に治療すればほとんどの場合は治る病気です。症状に気付いたらそのままにせず、早めに医療機関を受診しましょう。
定期的に検査を!
ピルの副作用によって血栓症にかかるリスクはそれほど高くないため、心配しすぎる必要はありません。
しかし、ピルを飲んでいない人よりはリスクが高くなるので、医療機関で定期的に血圧の測定や血液検査を行いましょう。
スマルナでは、半年に1度血液検査を受けることをオススメしています。
まとめ
血栓症はとてもまれな副作用ではありますが、ピルを飲んでいない人よりもほんの少しですがリスクが高くなります。
定期的な血液検査や、自分の症状に不安な場合は医師に相談するようにしましょう。
ただ、適切な治療をすればほとんどの場合治りますので、ピルを飲む飲まないと合わせて、タバコやデスクワークなど、自分の生活習慣の中に潜む血栓症リスクについてもチェックしてみてくださいね。
「これって血栓症の症状かな?」と不安な人は、「スマルナ医療相談室」でもご相談承っていますので、ぜひご利用ください。