緊急避妊薬(アフターピル)とは?服用の注意点と処方してもらう方法

避妊を失敗してしまった時や、妊娠の可能性がある性交渉があったとき、妊娠を希望していない場合は「妊娠してしまうかも…」と不安な気持ちになったことがある方もいるのではないでしょうか。

そんな時に頼れるのが「緊急避妊薬(アフターピル)」です。

いざ緊急避妊薬を服用しようと思っても、副作用や正しいお薬の飲み方など、気になることがありますよね。

今回は、そんな時に安心して服用できるよう、緊急避妊薬について詳しく説明します。

緊急避妊薬(アフターピル)の基礎知識

緊急避妊薬(アフターピル)とはどのようなお薬なのでしょうか。
緊急避妊薬による避妊の仕組みや、避妊の成功を知る方法などについてご紹介します。

緊急避妊薬(アフターピル)とは?

緊急避妊薬とは、避妊に失敗したときや妊娠の可能性がある性交渉の後に服用し、妊娠を阻止するお薬のことです。
「アフターピル」や「モーニングアフターピル」とも呼ばれます。

緊急避妊薬は女性ホルモンの1つである「黄体ホルモン」が主成分となっています。
その避妊効果は100%ではないものの、妊娠の可能性がある性交渉から72時間以内に服用すれば約84%の妊娠阻止率があるといわれています。

性交渉後、なるべく早めの服用が望ましいですが、72時間を超えてしまった場合でも120時間以内まではある程度の効果が期待できるとされていますので、服用を希望する際は医師に相談してみると良いでしょう。

妊娠を希望していない方で、下記のシチュエーションに当てはまる場合は緊急避妊薬の服用を検討する必要があります。

  • コンドームが外れた、破れた
  • 腟外射精をおこなった
  • 性暴力被害にあった
  • 低用量ピルを2日以上飲み忘れたタイミングでコンドームをせず性交渉をおこなった

緊急避妊薬(アフターピル)による避妊の仕組み

緊急避妊薬は、排卵を抑制したり遅らせたりする作用があります。

精子の寿命は3日〜1週間ほど。排卵が抑制されている間に、腟内に入った精子の受精能力が失われることで妊娠を回避する仕組みです。

なお、一時的に排卵を遅くすることで妊娠を阻止するものであって、将来妊娠しにくくなるなどの影響はありません。

避妊できたかどうかを知る方法

避妊ができたかどうかは、アフターピル服用から3週間後に妊娠検査薬を使用して確認します

「アフターピル服用後、出血があったら避妊成功なのでは?」と思う方もいるでしょう。
確かに、避妊に成功した場合は、お薬を飲んで数日〜3週間くらいで「消退出血」と呼ばれる出血が起こることがあり、ほとんどの場合は生理予定日の1週間前後に起こるようです。

消退出血が確認できたら、ひとまず妊娠を阻止できたと考えられます。
ですが、出血があったとしても不正出血の場合もあり、出血で避妊成功の判断をするのは難しいことも。

服用から3週間経過した時点で、消退出血が無い場合や出血が少量で判断が難しい場合は妊娠検査薬での検査を行い確認しましょう。
※妊娠の可能性がある性交渉から3週間経つと、妊娠していた場合は受精卵が着床し、妊娠検査薬に反応が出始める時期になります。個人差がありますので、それ以降に出る場合もあります。

なお、服用から3週間後の妊娠検査薬で陰性が出た場合でも、生理予定日の1週間後、もしくは緊急避妊薬を服用してから4週間以内に出血がない場合は再度妊娠検査薬で確認をするか、近くの産婦人科を受診し妊娠について確認しましょう。

緊急避妊薬(アフターピル)の注意点

緊急避妊薬は安全性の高いお薬ですが、いくつか注意が必要です。ここでは、緊急避妊薬を服用する際の注意点についてご紹介します。

100%避妊できるわけではない

緊急避妊薬は、性交渉から72時間以内の服用で約84%の避妊効果が期待できるお薬です。
避妊率は100%ではありませんが、避妊が不十分だった、もしくは避妊に失敗した性交後の避妊手段として有効です。

ただ、緊急避妊薬があるからといって、普段の避妊を怠ることはないようにしましょう。緊急避妊薬よりも、毎日1錠飲む低用量ピルや、コンドームを正しくつける方が避妊効果が高く、身体にも優しいです。

また、緊急避妊薬は、次の生理を確認できる前に繰り返し服用したり、服用後に避妊をちゃんとせずに性行為をした場合、排卵の抑制や遅延が行われず妊娠してしまうこともあります

あくまで緊急用であることを忘れないようにしましょう。

服用する錠剤数を増やさない

焦って2錠以上服用しても避妊効果が100%になるわけではありません。
タイムリミットが近い場合などはかなり不安になってしまうかも知れませんが、身体への負担が大きくなってしまうので、服用は1錠だけにしましょう。

※ただし、副作用の影響で緊急避妊薬の服用後2時間以内に吐いてしまった場合は、もう一度服用が必要な場合があります。吐いてしまった場合は医師に相談してください。

副作用が出るおそれがある

緊急避妊薬の服用後、副作用が出る場合があります。ただ、国内での使用成績調査では、副作用が現れたのは7.96%と多くありません。

副作用はお薬を飲んでから数時間後に感じることが多く、症状には個人差があり全ての人に副作用が出るわけではありませんが、服用後はできるだけゆっくりして、安静に過ごすのがおすすめです。

主な副作用に、消退出血・不正出血・吐き気・嘔吐・頭痛・悪心・倦怠感・眠気・食欲不振・下腹部痛などがあげられます。

なお、症状が現れたとしても、24時間以上継続することはありません

▼副作用の対処法
吐き気が辛いときには、部屋の風通しを良くして、締め付けのないラクな服に着替えるなど、なるべく身体への圧迫を減らしてみてください。
また、吐き気や頭痛の症状においては、市販の吐き気止めや鎮痛剤の併用が可能です。

なお、副作用の影響で服用から2時間以内に吐いてしまった場合はできるだけ早くもう1錠服用する必要があります。すぐに医師に相談してください。

※お薬処方の際に、吐き気止めや鎮痛剤などをセットで処方してくれる場合もあります。心配な場合は、あらかじめ医師に相談しておくと良いでしょう。
※副作用の有無はお薬の効果に影響ありません。副作用がなくても正しく服用できていれば効果を期待できます。

服用後の性行為に対する避妊効果はない

緊急避妊薬は、服用後の性交渉に対する避妊効果はありません
服用後は避妊成功が確認できるまで性交渉を控えるのが基本です。もし性交渉を行う際はコンドームなど他の避妊法を使用しましょう。

計画的に避妊を行うのであれば低用量ピルの服用検討がおすすめです。
低用量ピルは、「経口避妊薬」や「OC(Oral Contraceptivesの略)」とも呼ばれ、主に避妊を目的として使用されるピルです。
正しく服用すれば99.7%という高い避妊効果が期待できます。

緊急避妊薬(アフターピル)を処方してもらうには?

緊急避妊薬を入手するにはどのような方法があるのでしょうか。ネットで売られている緊急避妊薬は安全なのでしょうか。

ここでは、緊急避妊薬の入手方法やその注意点についてご紹介します。

処方してもらえる緊急避妊薬(アフターピル)の種類

国内で認可されているアフターピルには、「ノルレボ」と「レボノルゲストレル」の2種類があります。

ノルレボは、女性ホルモンの1種である黄体ホルモン(レボノルゲストレル)が主な成分で、日本では2011年に認可された緊急避妊薬です。

後から開発されたレボノルゲストレルはノルレボのジェネリック医薬品で、ノルレボと成分は同じです。価格が比較的安くなっているため薬代を抑えられるメリットがあります。

レボノルゲストレルもノルレボも避妊効果に差はないため、処方を受ける際には希望するお薬を医師に相談してみてくださいね。

処方してもらう方法

日本で緊急避妊薬を手に入れるには、必ず医師の処方が必要です。近隣の産婦人科を受診するか、オンライン診察で受診しましょう。

医師の問診や処方がない通販サイトなどで売られているお薬には、成分が不明だったり、きちんとした避妊効果が得られなかったりするようです。
必ず医師からの処方を受け、品質が担保されている安全なお薬を服用しましょう。

「スマルナ」を利用する方法

「スマルナ」ではアフターピルのオンライン診察・処方が可能です。

オンライン診察では、自宅にいながら医師の診察を受けられるので、病院に行くハードルが高い、病院が空いてない、病院に行く時間がないなどの場合でも処方が可能です。

お薬は、最短翌日でお届けいたします。(天候や地域によっては数日かかることもあります。)
▶︎エリア別お薬のお届けタイミングについてはこちらをチェック

ただし、アフターピルは服用時間が遅くなると避妊効果が下がっていくため、場合によっては近隣の産婦人科をおすすめする場合もあります。
また、48時間以上経過している場合はスマルナで処方が難しい場合もあります。

スマルナでの緊急避妊薬のお値段は、下記の通りです。
※別途診察代金1,500円(税込)必要です。

  • レボノルゲストレル錠1.5mg:9,480円(税込、送料込)
  • ノルレボ錠1.5mg:11,700円(税込、送料込)

緊急避妊薬の服用方法がわからないなど、不安や疑問がある際は、助産師や薬剤師といった専門家に無料で相談できる「スマルナ医療相談室」をスマルナアプリ内でご利用いただけます。いつでもお気軽にご相談くださいね。

なお、アフターピルの他にも超低用量ピル、低用量ピル、中用量ピル(生理日移動)の処方を行なっています。
日常的な避妊を考える場合、診察室やスマルナ医療相談室で低用量ピルについての質問・相談も可能ですよ。

アフターピルは正しく服用をしよう

緊急時に頼れる緊急避妊薬ですが、焦って色んな情報に惑わされず、正しく服用することが大切です。
入手方法や服用方法などに気をつけ、より高い避妊効果を得られるように、服用するようにしましょう。

医師監修:柴田綾子先生

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