ピルの休薬期間とは?服用していないのに生理が来ないのはなぜ?

低用量ピルは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類の女性ホルモンが配合されているお薬です。
1日1錠を決まった時間に服用していくお薬で、周期ごとにホルモンの含まれたピル(実薬)をお休みする「休薬期間」が設けられています。この休薬期間には生理が起こります。

今回は、休薬期間は具体的にはどのようなものなのか、なぜ休薬期間があるのかについてご紹介します。

ピルの休薬期間とは?

休薬期間とは、実薬の服用を休む期間のことを言います。そして、休薬期間中に体内の女性ホルモン量が変化することで生理が起こる仕組みとなっています。
※実薬…女性ホルモンの成分が入っている錠剤のこと。

ピル(実薬)の服用中は、体外から女性ホルモンを摂取することで、体内での女性ホルモンの分泌や、排卵などの卵巣の働きが抑えられます。休薬期間の7日間は、子宮の内膜がはがれて生理が起こる期間なのです。

それでは、休薬期間の取り方をピルの飲み方と合わせて具体的に解説していきます。

【ピルの種類別】休薬期間の特徴

ピルには、低用量ピル、中用量ピル、超低用量ピルと種類があります。ここでは、ピルの種類別に、休薬期間の特徴をご紹介します。

低用量ピル

低用量ピルは、主に避妊目的で使用されるピルであり、1日1錠、決まった時間に正しく服用すれば99.7%という高い避妊効果が期待できます。
その他にも、生理痛や月経困難症などの生理期間に起こる不快症状の治療や、生理周期の安定化、ニキビの改善など、避妊以外の効果(副効用)があることが分かっています。

※低用量ピルは性感染症の予防はできないため、パートナーと一緒に性感染症検査を受け、性行為の際にはコンドームをつけるなど、対策を行いましょう。

低用量ピルは、飲み始めから生理が来るまでの周期でシートが分かれています。28日を1周期(1シート)として1日1錠、毎日決まった時間に、シートの上から決まった順番で服用します。
服用は、基本的に生理(月経)の初日から開始します。

低用量ピルは1シートあたりの錠数によって、21錠タイプと28錠タイプの2種類があります。
得られる効果や「ホルモンが含まれる錠剤(実薬)を21日間飲む」という点も同じですが、28錠タイプには7錠の「偽薬(プラセボ)」が含まれています
※偽薬…女性ホルモンの成分が入っていない錠剤のこと。

21錠タイプと28錠タイプの大きな違いは、休薬期間の過ごし方。
21錠タイプの休薬期間は何も飲みませんが、28錠タイプは偽薬を服用し続けます。

21錠タイプと28錠タイプにおける、それぞれのお薬の飲み方は下記のとおりです。

  • 21錠タイプ:21日間実薬を飲む+7日間休薬する(お薬を飲まない)
  • 28錠タイプ:21日間実薬を飲む+7日間偽薬(プラセボ)を飲む

28錠タイプに用意されている偽薬は、「飲み忘れを防ぐため」に用意されているものです。偽薬は飲み忘れても効果などに影響はなく、問題ありません。生理は休薬期間や偽薬期間中に起こります。

なお、休薬期間中の避妊効果は、次のシートを正しく飲み始めることで、効果が持続します。

中用量ピル

中用量ピルは、主に生理日を移動させるために使用されます。
また、「生理不順」や、生理の出血量が多い「過多月経」、「月経困難症」などの改善効果が期待でき、治療薬として使われています。
服用方法は目的によって異なるため、必ず医師に確認しましょう。

超低用量ピル

超低用量ピルは、低用量ピルよりも卵胞ホルモン(エストロゲン)の配合量が少ないピルであり、「月経困難症」や「子宮内膜症」の治療目的で使用されます。

超低用量ピルは、お薬によって周期が異なります。基本的には低用量ピルと同様に、21日間の服用後、7日間の休薬期間を設けますが、必ず添付文書などで飲み方を確認するようにしましょう。

超低用量ピルのヤーズ配合錠、ヤーズフレックス配合錠、ジェミーナ配合錠の場合は、他のピルとは服用サイクルが異なる場合があります。

  • ジェミーナ配合錠…21日間、もしくは77日間の連続服用後、7日間の休薬期間を設けます。
  • ヤーズ配合錠…28錠のうち、24錠が実薬、4錠が偽薬のため、休薬期間は4日間です。基本的には1シートずつ飲み進めれば問題ありません。
  • ヤーズフレックス配合錠…120日間の連続服用後、もしくは服用しはじめて25日目以降に3日以上の不正出血が認められた場合、服用を中止し、4日間の休薬期間を設けます。

飲み方が不安な場合は医師や「スマルナ医療相談室」で相談してみてくださいね。
なお、治療目的で処方される低用量ピル・超低用量ピルには、国内で避妊効果が確認されていないものがありますので、詳しくは医師にご確認ください。

ピルの休薬期間中なのに生理が来ない!なぜ?

ピル服用中の生理は、休薬期間に入った2〜3日後にくることが多いと言われていますが、休薬期間に入ったのに生理がこないと心配になりますよね。
休薬期間に生理がこないときの原因を解説します。

休薬期間中に起こる出血を「消退出血」という

ピル服用中は、休薬期間に入って2~3日くらい経つと出血が見られ、これを消退出血と言います。消退出血とは、体内の女性ホルモンの量が下がることで起こる出血で、生理も同じ仕組みで起こっています。
出血の状態は個人差がありますが、ピル服用中は子宮内膜を薄く保つ効果があるため、ピルを服用していないときの出血量よりも少量で、期間も短期間であることが多いです。

休薬期間に生理が見られないことはある

休薬期間に消退出血が起こらない場合は2つのパターンがあります。

  • 妊娠している
  • 子宮の内膜が薄くなったから(異常ではない)

消退出血が起こらない場合には妊娠をしている可能性もあります。また、何も異常がないのに消退出血が起こらないことは、ピルを服用している1%未満の人に起こると言われています。

休薬期間を終えても生理がこない場合は、次のシートを飲み始める前に妊娠検査薬で確認してみましょう。
妊娠検査が陽性の場合はピルの服用をストップし、産婦人科を受診する必要があります。

陰性の場合は次のシートに入っても問題ないか医師に確認しましょう。
ピル2シート分が経過しても生理がみられない場合は、妊娠検査薬が陰性の場合でも一度病院で検診を受けるようにしましょう。

不安な時は医師や専門家に相談しよう!

「休薬期間に生理がこない」など不安な時は、一人で抱え込まず、専門家や医師に相談するようにしましょう。
「スマルナ医療相談室」では、ピルや生理についての相談がオンライン上で無料でできます。ピルの飲み方や休薬期間について、副作用など不安なことがあればいつでもご相談くださいね。

また、「スマルナ」では医師によるオンライン診察、ピルの処方ができるサービスも行なっています。
問診は24時間受け付けているので、忙しい人も安心!また、ピルは最短翌日に自宅に届きます(天候の状況やお住まいの地域によっては数日かかることもあります)。
気になる方は、こちらからアプリをダウンロードしてみてくださいね。

医師監修:柴田綾子先生

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